2018年3月24日土曜日

漫画 平成29年度日本穀物検定協会食味ランキング 魚沼産コシヒカリ特A陥落





























平成29年度日本穀物検定協会の食味ランキング
平成元年の特A評価設定から唯一、28年間連続特Aを獲得してきた『魚沼産コシヒカリ』がA評価となり、連続特A記録が途切れることとなりました。

同じ新潟県内では『上越産コシヒカリ』『下越産コシヒカリ』『佐渡産コシヒカリ』は特A評価を得たものの、やはり連続記録を持っていた魚沼産のA評価への格下げは新潟県に少なからず衝撃を与えました。
この特A陥落に際して地元農家からは「どこのサンプルを使っているか公表されていない」とか「一緒くたにされては困る」等々不満も出ているようですが、サンプルの提出は新潟県自身が(おそらく)多大な時間をかけて選定しているはずなので、特Aを取ることを目標に考えうる最高のサンプルが提出されて(&再選考・再提出もした)いることは間違いないはずですので、ちょっとこの非難は的外れ。
食味ランキングに関する苦悩について、詳しくはコチラに記載あります(よそ様の投稿です)。


とは言え
選考内容とA評価への格下げの理由は未公表とされているので、品質が落ちてもいないのに格下げされることに納得できないという言い分は共感できるところがあります。
山形県産のはえぬきも平成28年度に続き平成29年度もA評価です。
22年間の特A実績がありながら、県のデータ上は品質も上々だというのに、食味ランキングの結果が振るいません。
特A陥落に際して昨年度は選考方法(サンプルの取り扱い方法)の変更、今年度は夏季の天候不良が原因ではないかとは言われていますが、前者は兎も角、後者は数値上ほぼ影響は無い…はずなのに評価を下げる事例が相次いでいます。
岩手県県南産のひとめぼれも今年初めて評価を下げました。
やっぱり政治的配慮かなんかで古株の特A品種を意図的に格下げしてるんじゃないかな?
平成28年度から食味ランキングは大荒れですが、基準米の変更は発表されていません。
…複数産地のコシヒカリブレンド…新潟県産に変更になったのか(な訳ない)





ところで
この『魚沼産コシヒカリ』、途中で世代交代していることについて(一時期だいぶ騒がれましたが)実際のところ、あまり知られていないかもしれません。
というか少なくともそのことに触れている記事がみつけられませんでした。

平成17年(2005年)産より新潟県産の『コシヒカリ』は『コシヒカリ新潟BL』の4種混合、『コシヒカリIL』に置き換わっています。
その為、漫画の最終ページにも記載していますが、”28年連続の特A”も実は品種で見ると『コシヒカリ』が16年連続、『コシヒカリ新潟BL』が12年連続の、”都合28年連続特A”という表現になります。


コシヒカリBLのことを
”遺伝子組み換えだ”とかいまだに騒いでいる人がいたらその人はもう末期です。手の施しようがありません。
”食品偽装だ”とかいまだに騒いでいる人がいてもだいぶ重症です。手の施しようがありません。
”まるで違う品種だろう”と騒いでいる人は稲の品種の定義について少しは調べられたらいいと思います。まだ間に合います。



繰り返しになりますが
昨年平成28年度では『魚沼産コシヒカリ』に次いで連続特A評価を受けていた『山形県産はえぬき』がA評価になり、今年平成29年度には平成16年から13年連続特Aを受けていた『岩手県県南産ひとめぼれ』もA評価になるなど、安定していたはずの古株特A産地でA評価になる事例が目立ちます。

しかしそれもむべなるかな、といったところでしょうか。
品種『コシヒカリ』が特Aを連続して取っていた時代(平成元年~16年)など、特A評価を受けている品種はコシヒカリ自身のほかにはコシヒカリ御三家の『ひとめぼれ』『あきたこまち』『ヒノヒカリ』がほとんど。
あとは山形県の『はえぬき』と岐阜県の『ハツシモ』が単独で加わるのみ…

そもそも安定して特A評価を受けているのは
岩手県『ひとめぼれ』
秋田県『あきたこまち』
宮城県『ひとめぼれ』
山形県『はえぬき』
福島県『コシヒカリ』
新潟県『コシヒカリ』
基準米が『日本晴』だった時代でありながら、これだけの県と品種だけしか特Aを安定してうけていなかったんです。


それが今や各県独自のオリジナル品種の台頭が目覚ましいです。
平成29年度で特A評価43銘柄という数は勿論のこと、北は北海道から南は九州まで、各道県オリジナル品種での特A評価が目立ちます。



先代コシヒカリよりはるかに厳しいそのような状況で12年間連続特Aを守ってきた『魚沼産コシヒカリ新潟BL』は誇ってよいと思います。
平成29年度も3産地銘柄では立派に特Aを獲得もしました。
しかしわかります。
”連続でとる”ということの意義を、価値を、そしてそれがとぎれたことによる影響があることを。
世間一般でどのように評されるのか。



ただ彼女に伝えたい。
”お疲れさまでした”と。




PS
実は『新潟県佐渡産コシヒカリ(BL)』は現在13年連続特A記録を維持。
『新潟県魚沼産コシヒカリ』の16年連続特A、『山形県内陸産はえぬき』の15年連続特Aに迫り、『岩手県県南産ひとめぼれ』の13年連続特Aに並びました。
コシヒカリBLは佐渡産で輝いていますよ~

日本穀物検定協会 食味ランキング


食味ランキング特Aランク年次表

H28年度結果 

01.はえぬき陥落02.特A陥落者たち03.ひとめぼれ 宮城県産特A陥落04.コシヒカリ 特A堅持05.青天の霹靂 2年連続特A06.ヒノヒカリ つや姫 あきたこまち特A獲得も…07.特A評価復刻組08.新規特A獲得組09.特A獲得堅持組

H29年度 

H29結果総覧
魚沼産コシヒカリ 特A陥落
01.はえぬきまたも陥落02.岩手県(ひとめぼれ)特A陥落…







2 件のコメント:

  1. 食味ランキングが発表されてから1ヶ月も経っていないにもかかわらず、こんなに完成度の高い漫画が拝見できるとは…!!クロネコ大和様もお疲れ様です!
    改めて数字でコシヒカリやコシヒカリBLの特A獲得回数を見ると流石だと感じます。つい最近発表されたブランド米などでは、大衆へのアピールの為に特A獲得が要となることが多いですが、ベテランの彼女たちには1回の途切れにめげずまた頑張って欲しいですね。

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  2. コメントありがとうございます~

    まぁちょっと作者の背景への情熱を失っていく過程を示す漫画にもなってしまっていますがそのあたりは生温い目で見て頂けたようで恐縮です(汗)

    日本穀物検定協会の食味ランキングは、少し前までは高級ブランドの一種の登竜門のような扱いでしたが、新興特A獲得産地品種の大幅増に加え魚沼産コシヒカリ、山形県産はえぬきのような古参のA評価などで、一定の潮目というか転換期を迎えているように思います。
    それでもやっぱり一般人としては、一つの指標として食味ランキングの発表は楽しみではありますが(^_^;)

    ただ今回の魚沼産コシヒカリA評価というのは
    異常に加熱する『特A・金科玉条』に当人の日本穀物検定協会自身が冷や水を入れたような気がしないでもないですが…

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